紹介記事 : 日経産業新聞 2003年5月30日紹介

この人と5分間 大田ビジネス創造協議会理事長 磯 収二
<<大田区で水上飛行機の開発を始めましたね>> 若い技術者が集まる街に
 ▼東京都大田区の中小企業が中心となって、水上飛行機開発のプロジェクトを始めましたね。
「大田ビジネス創造協議会(OBK)内に研究部会を設けました。都立航空工業高専や航空宇宙技術研究所、鈴木真二東大教授らの協力を得て、三年後の完成を目指します。現在七社が参加し、今後全国の中小企業にも参加を呼びかけます」
 ▼プロジェクトの狙いは何ですか。
「大手の海外への工場移転や不況による受注減で下請けや中小は厳しい経営環境が続いています。大田区の町工場も空き地になったり、シャッターが閉じたままのとこが増えています。中小企業も最終製品を作って技術力をアピールしないと生き残りが難しいのが現状です。大田区で航空機産業を育成し、若い技術者が集まる街として復活を狙います」
 ▼今後の課題は。
「大田区には航空、造船で実績のある企業が多く、技術面では心配していません。四人乗り小型機開発には五千万円程度の資金が必要で、その調達が問題です。大田区を流れる多摩川から水上飛行機が飛び立つ日を一日でも早く実現させたいと思っています」

いそ・しゅうじ 72年(昭47年)中大理工卒、城南サービス入社。87年社長。01年OBK理事長。東京都出身、54歳。